KACS、ERPシステム導入で効率と透明性を向上

Microsoft Dynamics NAVの柔軟性で製造と飲食サービスの二種類のニーズを満たす

「コンピュータ化と標準化で、人的リソースをより価値のある作業に使えるようになりました。例えば財務部門の機能は決済だけでなく、財務関係の予測や資金運用で利益を得ることこそが重要なことでもあります。企業はコンピュータ化だけに依存できませんが、管理の細かなことはすべて数値とコンピュータのデータがあってこそ判断できます。判断と管理の二点が鍵となるのです。」

Kaohsiung Airport Catering Services(KACS)は高雄国際飛行場唯一のエアポートケータリング会社です。その経営戦略は多角的で、傘下に機内食第一工場、ケータリング弁当工場、竹苗第三工場の3基あり、機内食のほか統一コンビニエンスストアの高屏地区と竹苗地区の生鮮食品及びサラダ商品を提供するほか、フードコートに十店舗以上の飲食店を設立しています。

サービス業と製造業の間である特殊な経営モデルには、8、9本もの標準作業プロセス(SOP)があります。KACSは今までその場しのぎ程度にコンピュータ化してきましたが、相互に統合されていないシステム機能がかえって作業の負担になってきました。そこでMicrosoft Dynamics NAVをERPシステムとして導入し、発注依頼、仕入から支払申請まで一本のシステムで統一し、相互に連携させることで、決算周期を月毎から週毎に短縮し、月次決算作業も3日で完了するようになりました。

KACS管理部李河源総経理は、「決算周期が短ければ短いほど管理者の意思決定に使える時間が長くなる、これは絶対的にいいことです。以前は月末にならないとその月の売り上げとコストが分からなかったため、対策をとる時間がありませんでしたが、現在では第一週にデータを見て、第二週に改善し、第三週に好転したかどうか確認して改善を続け、第四週にはプラスの結果を出せます。こうすることで会社の収益の大きな変動を抑え、企業としての安定性を保つことができるのです。」と説明します。

毎日400本の生産オーダーに挑戦するJIT生産

飲食業であるKACSは、当日に生産と販売をして在庫を抱えません。けれども機内食とコンビニの冷蔵食品はセントラルキッチンで作られているため、業務のプロセスは製造業に近く、生産オーダー(BOM)方式での生産を採用しています。同時にJIT(Just in Time)方式でもあるため、生産プロセスに基づいてコストをコントロールして食材の浪費を抑える必要があります。材料品番の多さ、生産周期の短さ、大量の伝票処理、これらがERP導入における主な課題となりました。

例えば、統一セブンイレブンでは販売の半日前に最終確認をし、惣菜など冷蔵食材の向上では生産オーダーを毎日平均80枚以上受け取ります。飛行機会社はフライトの2時間前と30分前にそのフライトの予定する乗客数と実際の乗客数を通知して、フライト毎のコクピットとメニュー別にそれぞれ違う生産オーダーを作成するため、毎日300枚以上処理しなければなりません。さらに複雑なのは航空会社のメニューの変更頻度は週毎から月毎両方あり、生産オーダーもそれに従って変動するのです。

通知を受け取る前から、KACSは生産量を予測してあらかじめ生産しなければなりません。過去のフライトミールの生産オーダーは手動で計算してからExcelファイルにしていましたが、数字が変化するたびに誤差が出ていました。李河源総経理は、「Microsoft Dynamics NAVを導入したあとエラー率が下がり反応速度が向上しました。私たちの作業が5分短縮できれば、航空会社のチェックイン締め切り時間を5分延長できますし、より多くの席を販売することができます。これは顧客にとって目に見えるメリットであり、システムを引き続き強化することによって達成したい目標でもあります。」と話しています。

プロフィットセンター制を確実にし、原価管理と損益管理が正確に

KACSは原材料、食材から完成品まで自社工場で処理、調理をしています。また同一項目の原料、食材は複数のサプライヤーより供給されており、その数は驚くほどの数に昇りました。Microsoft Dynamics NAVはベンダーが違うひとつの材料を同じ品目番号に設定できるため、品目番号を八千種類に削減できました。そのほか、食材の変動性が大きく流れも早いため、Microsoft Dynamics NAVの生産オーダーがフローに合わせて各ロットの原価を計算します。

特筆するべき点は、KACSの各部門がすべてプロフィットセンターであることであり、Microsoft Dynamics NAVが社内のコストシェアリングを確実に実現し、システムから社内部門のその他部門のリソースをどのように使用したかが一目瞭然な点です。例えば、その他部門が生産を作業協力した場合の償却した水道電気代と製造費用、部門間の原料調達費用も計算できます。

李河源総経理は、内部償却でプロフィットセンター制を確実にしたことによって業績評価がスタートしたとします。会社全体で損益を見ると、業績の良い人と悪い人を判断するのは困難ですが、各部門の運営毎であれば損耗が目に見えます。例えば1kgの米を炊けば2kgのご飯ができるはずですが、販売時の商品に1.8kgしか使われなかった場合、0.2kgのご飯の損耗の原因となくなる段階を見つけ出さなければいけません。

コンサルタントの専門性と柔軟性のあるシステムで稼働の成功を確実にする

以前導入したシステムの結果が予想通りでなかった経験もあり、KACSがERPシステムを評価するにあたって厳しい態度で臨みました。条件にはコンテンツの適用性、システム機能の完成度、システム技術、導入コスト、プレゼンテーションの内容、ベンダーのサービス能力と全体的なパフォーマンスなどが含まれました。KACS管理部頼麗昭経理は「Microsoft Dynamics NAVの柔軟性が高く、データは索引も便利で、出力や整理も簡単なので、使用する部門から好評で、選択肢として考えていたローカル2社のソフトウェアパッケージより評価されました。また導入を担当したK&S Informのチームは専門性も高く、我が社の生産特性を充分に理解してくれて、サービス品質の一貫性を確保しています。」と説明しました。

2012年7月にシステムを稼働させてから、Microsoft Dynamics NAVは透明性という利点を実証しました。データ収集が完備されるにつれ、予測の精度を高めるためにレポート機能を強化することがKACSの次のポイントになりました。さらに人工による機内食生産データの処理問題を引き続きシステムで解決すると同時に、完成済みのコンビニ食品の売掛金処理システム、航空会社向けの売掛金フローシステムもシステム化していく予定です。

李河源総経理は「コンピュータ化と標準化のあと、人的リソースをより価値のある作業に使えるようになりました。例えば会計部門の機能は決算だけでなく、財務関連の予測や運用資金による利益に変換することこそ重要なことです。企業経営はコンピュータ化に頼りきってはいけませんが、管理に関わる全てのひとつ一つは数値とコンピュータの情報に頼ってこそ判断ができます。判断と管理を結びつけることこそが重要です。」と説明しました。

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