Microsoft Dynamics AXで新倉庫管理システムを構築、効果の高いモバイルデバイスとの統合のモデルケースに
後方サポートの基盤作りで、リアルタイムで動ける企業に変貌した台湾AVON
「Microsoft Dynamics AXが稼働してから、倉庫管理の責任者はオンタイムでレポートを入手でき、入荷状況の変化を把握できるようになりました。より柔軟性に富んだ管理ができるため、一部のスタッフを他の部門に異動できたほどで、企業の貴重な人的リソースをさらに価値のある業務に使えます。Microsoft Dynamics AXは我が社の長期的な計画を満足させただけでなく、もっと大きな予期せぬ効果ももたらしたのです。」
AVONは世界百カ国以上で事業展開している世界最大の直販会社です。台湾AVONはMicrosoft Dynamics AXでモバイルデバイスと統合した新しい倉庫管理システムを構築し、モバイルアプリケーションを強化し効率の高さと様々なメリットの相乗効果で、AVONの海外子会社が学ぶべきモデルケースとなりました。
台湾AVONの情報サービス處楊國禎處長は「長期計画の視点から、私たちにとってMicrosoft Dynamics AXを従来の倉庫システムに置き換えたのは非常に価値のあることでした。また2016年には部署全体がMicrosoft Dynamics AXをERPシステムとして導入することも決定しています。将来の企業経営のあり方がリアルタイムで動ける企業であり、すべての作業はすべて互いに連動していることから、Microsoft Dynamics AXの充実した機能が私たちの仕事をより良くこなせるようサポートしてくれると願っています」と話します。
将来を見据え、閉鎖的な旧式システムをフル機能完備したプラットフォームに取り替える
台湾AVONで10年以上使用されてきた旧式の倉庫システムは外部で開発されたものですが、毎年固定のメンテナンス費、年々増えていく新たなニーズ、古くて閉鎖的なソフトウェアのシステムなど、向かい合わなければならない問題となりました。楊國禎氏は「倉庫管理は受注とサービスの基本であり、企業運営の安定性にとってとても重要です。ですからシステムをバージョンアップするか新しいシステムに置き換えるか、二つの選択肢を評価しました。システムの置き換えのコストはバージョンアップより高かったのですが、未来の長期的な効率と利益を考えた時、コストを負担できるという前提で、 機能が完備されたアプリケーション環境を選択しました」と説明しました。
台湾AVONは海外メーカー三社のERPシステムを選択肢に入れましたが、Microsoft Dynamics AXが他社製品と比べてリーズナブルな導入コスト、高い柔軟性、ITスタッフに馴染みのあるMicrosoftの技術環境という三つの大きな利点があると評価しました。またその他のERPソリューションが基本的な倉庫管理システムだけ提供しているのに対し、Microsoft Dynamics AXは倉庫と在庫両方の管理が可能な完備されたシステムであり、台湾AVONの複雑な作業ニーズを満たすこともできました。
そのほかにも、台湾AVONは2016年全面的にMicrosoft Dynamics AXをERP システムとして採用する試金石として、Microsoft Dynamics AXアプリケーションで倉庫管理としてハンドヘルド端末と連携させ、海外の子会社の注目するモデルケースともなりました。
オーダー満足度95%に到達、サービス面とコスト面双方に効果
台湾AVONの会員数は百万人近くで、六部門にわたる商品は合計三千種類以上の品目に上ります。しかもスキンケア商品や化粧品、健康食品などは保存期限の管理が厳しく、倉庫管理がとても複雑になります。このような状況で同時に台湾AVONは毎日八千〜一万本ものオーダーが入り、およそ20%のオーダーは12時間以内に品目の内容が変更します。より柔軟なサービスを会員に提供するために、後方サポートを完備する必要があります。そのほか、会員がオーダーするときに、会員が発注する商品の在庫切れがない状態を「パーフェクトオーダー」と呼びますが、もともと9割以上を占めていたこのパーフェクトオーダーの比率をさらに向上させて95%を超えるようになりました。
楊國禎氏は、オーダーの満足度を高めることは会員へ提供するサービスのクオリティを向上させるだけでなく配送回数の削減を実現させることでもあるので、コスト削減にもつながると指摘しています。しかも台湾AVONの六十店舗近い加盟店がその恩恵を受けています。Microsoft Dynamics AXのサプライチェーン機能モジュールとPOSシステムを統合することで、将来的には利用する商品の補充時間を短縮し、補充内容もより精度を上げて運用コストをさらに下げていきます。
Microsoft Dynamics AXの利点はさらに内部のユーザーにも広がります。Active Directoryとの統合でシングルサインオンや権限コントロールの強化を提供します。このほか、新たにシステムに他言語対応サポートが加えられ、管理者は英語の、第一線の人員は中国語のインターフェースを使えるため、新しく入ってきたスタッフでもすぐに使いこなせます。将来的にはどんなブランドや形式のハンドヘルド端末でも、またタブレットPCに接続することも可能です。
モバイル化で高い効率を実現、生産力をアップ
ソリューションを導入するにあたり、K&S InformはMicrosoftと協力関係にあり、豊富な導入実績、カスタマイズのニーズの支援、柔軟性のあるサービスの提供などのメリットから選ばれました。楊國禎氏は「私たちは独自の作業プロセスがあるため、倉庫部門の提出するニーズが初めに想定していたものより多かったのですが、幸いK&S Informのカスタマイズへの対応とサポート能力はどれも高いものでした。」と話しています。
台湾AVONは既に投資したハンドヘルド端末を使いたいと考えました。そこでK&S Informを通じて米国のMicrosoftパートナーであるRF-SMARTが協力し、 モバイル式ソリューションの導入とMicrosoft Dynamics AXをシームレスに連携しました。ハンドヘルド端末は以前の旧システムの制限を受けており、棚卸しなどの基本機能しかありませんでしたが、現在ではまるでモバイルPCのように第一線で入荷、棚卸し、ピッキングなどの各種タスクを実行し、システムに合わせて最も効率の良い作業ルートを計画し、倉庫スタッフの作業効率を大幅に向上させることができました。
「Microsoft Dynamics AXが稼働してから、操作面の統合とロットごとのデータ入力で、プロセスの合理化と労働力に明らかな効果が見られました。倉庫管理の責任者はオンタイムでレポートを入手でき、入荷状況の変化を把握でき、管理がより柔軟になり、一部の従業員は他部門へ異動し、貴重な労働力を他の価値のある仕事で発揮させることさえできました。Microsoft Dynamics AXは私たちの未来の長期計画を満足させただけでなく、さらに予期しなかった効果をももたらしたのです。」楊國禎氏はそう話しています。