Microsoft Dynamics NAV 導入例

Microsoft Dynamics ERPで、二層ERPビジョンを実践する東芝

移り変わりの早い市場で企業グループがより収益をもたらすビジネスチャンスを掴むためには、柔軟な運営管理システムを構築する必要があります。特にサービス業にとって、顧客のニーズをすぐに満たすために、より迅速に対応できるサービスシステムが欠かせません。こんな時、各新事業体の、または海外支店のビジネスニーズを適切に満足させられる二層EPR(Two Tier ERP)システムの導入は最良の方法です。

顧客紹介

1875年創業の東芝は、100年以上の歴史と実績を誇り、現在では日本最大の半導体メーカー、二番目の総合電機メーカーという優位性を持つだけでなく、その事業領域は、世界のあらゆる国や地域に広がっています。

東芝傘下の子会社、孫会社は数えきれないほどありますが、それぞれが最前線で異なる使命を負い、現地の言葉、通貨、税制、法律、規制を遵守しなければなりません。このような複雑な状況に直面し、親会社の使用する大型EPRを子会社、孫会社に一貫して導入するのは、膨大なコストと時間がかかる上に、「材大なれば用を為しがたし」というように、各事業体の実際のニーズからもかけ離れます。一部の子会社が既に自分の運営管理システムを構築したものの、長年使用してきたシステムは古いままであり、目まぐるしく変化し続ける今の市場環境に対応できず、旧システムでは解決できない不便な点が多く浮上し、限界が来ていることが見えてきました。

慎重に検討した結果、Dynamics ERP NAV(旧称Navision)を導入したToshiba Network Taiwan Corporation(TDMT)の成功体験を踏まえ、東芝は今後の戦略の布石として、2層ERPの推進を決めました。そのため、2009年に家電販売を主な事業としているToshiba Hong Kong Ltd.(東芝香港)が長年運用している管理システムを置き換えるために、新しいシステムプラットフォームとしてDynamics ERP NAVを導入し、2層ERP戦略を徹底することにしました。

準備期間は9ヶ月、システムが順調に稼働

東芝香港副総裁兼董事の趙国綱氏は「過去20年間、我々はIBMのプラットフォームを利用して、独自のERPシステムを開発しました。」と話しました。「このシステムの利点はユーザーに親切なことです。いかなるニーズも、情報管理部に伝わっていれば、ITスタッフが手配してくれます。けれどもその反面、ITスタッフは多大なプレッシャーにさらされていました。それは事の大小を問わず、設計から開発、テスト、稼働まで、さらにはデータ整理、レポートの作成など、あらゆるシステム業務をITスタッフが全部担わなければならないからです。」

東芝香港情報管理部高級経理王雪芬氏は、「旧システムの機能モジュールはそれぞれ独立しているため、手動による操作をしないと、異なるモジュール間でデータ交換ができないので、作業に負荷がかかりすぎていました。例えば、サービスモジュールで保守サービスの収入を算出した後、経理担当者が自分で会計伝票を作成してからでないと、会計モジュールとデータ交換ができません。このやり方は市場間競争が緩やかだった頃ならなんとかなりましたが、今や外部環境が劇的に変化し、作業効率の向上の必要性が迫られている時代であり、新たなニーズが次々と出てきます。ITスタッフは短時間でシステムの利用部門のニーズを満たすことが難しくなってきました。」と加えて説明しました。

このように、旧システムは確かに早急に改善する必要がありました。ただ長い間使用してきたものだけに、東芝香港はすぐに手放すことができませんでした。したがって2009年の年末に本社からDynamics ERP NAV切り替えの指示を受けた時、東芝香港の社員は喜びと心配が半々でした。喜んだのはより先進的なシステム構築を通じて、会社が市場の変化に素早く適応できるようになることで、心配したのはERPシステムに切り替える事によるリスクの発生です。趙国綱氏は十分な準備期間を確保できるよう本社に要請して、本来2010年9月の稼働予定を2011年の元旦に延期しました。

幸い、2010年の第四半期にプロジェクトを請け負った台湾K&S Informとの初回会議を開いた後、東芝香港の心配は半分に軽減されました。なぜならK&S Informは業務プロセスのあり方(To Be Process)の立案、システムのギャップ分析、システム構築、ユーザー受け入れテスト(UAT)、データ移行、システムの正式稼働のすべてに対して、完璧なプランがあったからです。さらにDynamics ERP NAVは柔軟性が高く、ビジネスニーズ、法制度対応に合わせた迅速なカスタマイズが特長であり、一般的なERPと大きく違うことを十分に理解できたからです。そこで、趙国綱氏はIT担当者と利用部門からなる十数人のチームに、このプロジェクトを全力で進めるよう指示しました。

「新システムの円滑な稼働を確実にするため、我々は導入に9ヶ月もかけました。UATだけでも二回実施しましたし、クリスマスイブさえ徹夜しました。」趙国綱氏はそう話しました。 幸い、2010年の年末までにプロジェクトチームは旧システムにあった三、四十万件ほどのデータをすべて順調に新システムへ移行し、Dynamics ERP NAVを予定通りに稼働させました。その後も月決算、年度決算などの重要な会計処理を問題なくこなしました。

強力なカスタマイズ機能、あらゆるニーズに素早く対応

新システムの正式稼働に伴い、趙国綱氏は多くのメリットをはっきりと感じました。まず、ユーザー部門はIT部門にレポートの作成を依頼せずに済み、またレポートの完成を焦って待つ必要もなくなりました。ユーザー部門は使い慣れたOfficeツールを利用して、ERPのデータと迅速に接続し、認められた範囲内でデータを自由に取得してレポートを作成し、幹部に命じられた業務を時間通りに完成できます。また幹部も簡単なドリルダウン機能を利用すればレポートに利用されたデータにアクセスできるため、各種データの経緯などを確認、分析でき、より適切な経営戦略を立てることが可能になります。

また、今まで些末な業務に追われていたIT部門は、徐々にコミュニケーションの役割を果たし始め、管理部門としての価値が明確になりました。王雪芬氏は「今ではユーザー部門からシステムに対する要望があれば、情報管理部が分析、確認、整理した後、すぐにK&S Informに反映し、プログラムの開発を依頼しています。このように、我々は日々のIT資産管理に要する時間と労力を削減できるため、長期的なIT戦略について、専念して計画を立てられます。」と話しました。

行き届いたサービスモジュール、企業内部の効率性を向上

一方、Dynamics ERP NAVのカスタマイズできる柔軟性をもとに、東芝香港は製品の保証、契約管理、メンテナンス、技術者派遣、コールセンターなどの完全なサービスモジュールを迅速に構築しました。またサービスモジュールと会計モジュールとの緊密な連携により、部品、保守サービス収益、滞留在庫、備品などの業務データがすべて会計システムに直接取り込まれ、手作業による処理に頼らずに済むようになり、生産管理、仕入れ、販売、在庫、会計のどれかしか処理できなかった既存のERP能力範囲の限界を超えたシステムを得られました。企業内部の効率性と同時に、サービスに対する顧客の満足度も向上させられました。言い換えれば、東芝香港は新システムを土台として従来の業務プロセスを引き継ぎながら高い利便性を享受できたため、本当にたくさんのメリットを実感しています。本部の「2層ERP」戦略は、まさに正しい戦略だったのです。

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